三田図書館・情報学会:Mita Society for Library and Information Science

2010年度三田図書館・情報学会研究大会研究発表

国立大学図書館における学生用図書の選書方法とその基準
小山美佳(慶應義塾大学大学院)  
発表要旨
本研究の目的は,日本の大学図書館のコレクション形成において,学生用図書の選書はどのような方法で行われ,どのような基準によって選書されているのかを明らかにすることである。大学図書館の選書業務には,国公私立の種別によって特徴があると考えられるため,今回は,国立大学図書館を対象とした。調査では,学生用図書の選書を誰がどのような基準,方法,手順で行っているかを明らかにするため,複数の国立大学図書館の選書担当者に選書業務に関するインタビューを実施した。 その結果,国立大学図書館の学生用図書の選書では,従来通り,教員・図書館員・学生によって選書されているが,近年は学生の参加が増えてきていること,教員が選書に協力的であるかどうかが学生用図書の選書に大きく影響すること,制定された選書基準以外に図書館職員が共有する非公式な基準があり,図書館員間で慣習的に利用されていることなどがわかった。また,学生用図書の選書に関する問題点が見つかった。
米国公共図書館におけるリテラシー育成サービスの変化
西田 美奈子(慶應義塾大学大学院)  
発表要旨
米国公共図書館において,リテラシー育成を目的とするサービスが,時代によってどのように変化しているか,米国図書館協会公共図書館部会の計画立案の手引書や各図書館の実践事例等の文献を手がかりに,その内容を確認した。その結果,移民を対象とした英語クラス(English as a second language,ESL)等のサービスは,彼らをアメリカの生活様式に順応させることに重点をおき,集団を対象に,画一的に実施されていた。しかし現在のリテラシー育成サービスは,対象に合わせた多彩なプログラム内容が増え,サービス方法も,1対1や,小グループに分けて教える等,個々人の利用者が持つ目標を実現できるよう変化していることがわかった。

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