三田図書館・情報学会:Mita Society for Library and Information Science

【2005研究大会】図書館,博物館間の情報共有化の可能性

◆氏名 菅野育子  
◆所属 愛知淑徳大学文学部
◆発表題目 
 図書館,博物館間の情報共有化の可能性
◆発表要旨
(1)研究目的
 これまでに図書館資料と博物館資料の資料識別における違いとその違いが生まれる背景について検討してきたが,その研究成果を基に,本研究では図書館と博 物館という異種館間での情報の共有化の可能性を探ることを目的とする。具体的には,図書館と博物館がどのように協力し合い,これまで別々に作成してきた資料に関する情報を,どのように相互運用できるかについて明らかにすることである。
(2)研究方法
 まず,図書館と博物館に対して求められている機能がどのように変化してきたかについて,海外における両機関の歴史を扱った文献を調査する。分析の観点は,両機関の機能の相違点を明らかにすることである。次に,海外における図書館と博物館の共同運営の現状について扱った関連文献を調査する。分析の観点は,共同運営が実現した背景や共同運営から生まれる各館の課題を明らかにすることである。さらに,書誌情報と博物館情報間の相互運用の前提となる活動を探し,その関連文献を分析する。
(3)予想される成果
 フランスのポンピドゥー・センターの公共情報図書館(BPI)とパリ国立近代美術館(MNAM),米国のIMLS(the Institute of Museum and Library Services)が支援する図書館と博物館の共同運営,EUにおける図書館や博物館のデジタル化に関する活動を対象として,共同運営における可能性を検討する必要がある。
 さらに, Getty財団のマッピング活動,MARC VM(visual materials)から博物館の登録レコードへのマッピング調査,ICOM/CIDOC/CRM多種多様な資料を一括して扱うための概念モデルの国際規格化といった動きなどがあり,それらは書誌情報と博物館情報間の相互運用の前提として捉えることができる。

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