【2005研究大会】NEA・ALA合同委員会報告書(1941)における学校図書館サービスの原則
◆所属 常葉学園大学
◆発表題目
NEA・ALA合同委員会報告書(1941)における学校図書館サービスの原則
◆発表要旨
(1)研究目的
本研究発表においては,学校図書館に関するNEA・ALA合同委員会(NEA-ALA Joint Committee)が1941年に発表した学校図書館サービスにおける学校と公共図書館との関係に関する研究報告書(/Schools and public libraries :working together in school library service : report of the joint Committee of the National Education Association and the American Library Association)を取り上げる。同報告書は,当時の学校図書館サービスにおける学校と公共図書館との関係に関する調査に基づく研究報告書であり,8項目から構成される学校図書館サービスの原則を掲げている。特に,学校図書館サービスにおける学校と公共図書館との関係について,学校図書館サービスは教育委員会の責務であるという原則を打ち出した点が重要であると考えられる。
本研究発表では,NEA・ALA合同委員会による同報告書について調査・検討を行うことにより,当時のアメリカの学校図書館関係者の間で学校図書館サービスにおける学校と公共図書館との関係がどのように捉えられていたのか,また,学校図書館サービスが教育委員会の責務であるとの原則がどのように確立されたかについて明らかにすることを目的とする。
(2)研究方法
学校図書館に関するNEA・ALA合同委員会が1931年に設立されてから,1941年の報告書において学校図書館サービスの原則を表明するまでに至るまでの経緯や背景,またNEA・ALA合同委員会の中で学校図書館サービスにおける学校と公共図書館の関係がどのように考えられていたかについて調査・検討を行う.NEA・ALA合同委員会の活動や1941年の報告書については,ALA文書の内,NEA・ALA合同委員会の関連文書の調査を行った。この調査により得られたNEA・ALA合同委員会の関連文書を中心とし,当時の学校図書館等に関する文献等をもあわせて検討を行った。
(3)得られた(予想される)成果
ALA文書の内,NEA・ALA合同委員会に関する文書の中から,年次報告書,議事録,及び1941年の報告書の草案や計画書を得ることができた。これらの文書から,1930年代当時のアメリカの経済,教育,及び図書館事情を背景として,NEA・ALA合同委員会において1)学校図書館サービスにおける原則の策定,2)学校図書館サービスにおける学校と公共図書館との関係に関する研究が行われるに至った経緯,3)NEA・ALA合同委員会やその他の機関によるアメリカの学校図書館に関する調査結果を受けて,学校図書館サービスを教育委員会の責務とした原則が表明された事情が明らかになった。